なかなか治らない痛み
はじめまして。SK Momです。
わが家は、旦那さんとひとり息子のごく普通の3人家族。
そんな私たちの平凡な生活に、息子の「クローン病」という変化が起きたのは、今から5年ほど前になります。
当時、中学3年の息子の「おしり事情」が始まりでした。
2020年の春のことです。
トイレの時間が長くなることが増えはじめ、「なかなか便が出ない」、「便が出るときおしりが痛い」と言い始めたのです。
「痔じゃないの?」と素人判断で市販の塗り薬を買って、水分をたくさん採るように息子に言っていました。
でも数週間たっても、まったく改善ナシ。
そこで、市内にある肛門科クリニックを受診することにします。
年頃の男の子には可哀想だとは思ったのですが、市販の薬で効かないなら仕方ないと本人を説得してクリニックへ向かいました。
診察で先生がおしりの入り口にカメラを入れて見てみると、痔のようになっているのが素人の私でもわかりました。
先生は「痔だと思うけど、年齢考えるとクローンもありえるかも。でも滅多にない病気だからねえ」とひと言。
私と息子は、「クローン??」と初めて聞く名前に、ただ頭の中がクエスチョンマークだらけです。
でも、先生からクローン病について説明されることはありませんでしたし、私たちも深く考えていませんでした。
その日は、おしりに塗る軟膏を処方してもらって帰宅。
そこから3週間、処方された軟膏を塗って様子見です。

息子に「どう?」と聞くと、「便が出るときの痛みは少し良くなったかも」と言います。
でも、トイレに入るといつ出てくるかわからない状態は変わりませんでした。
息子は嫌がりましたが、3週間たっても大きな改善が見られなかったのでクリニックを再診。
先生は、「念のために病院で診てもらった方がいい」と言って、病院に紹介状を書いてくれました。
この時は、病院に紹介状を書かれたという不安よりも、何かわかるかもしれないという期待の方が大きかったと思います。
紹介状を手に、県内で肛門関連の病気で著名な先生のもとを訪れました。
その先生の初診では、肛門の周囲に膿瘍があるという診断。
その時、先生が「中学生だとクローン病の可能性も否定できないんだけど…」と、ひとりごとのように言うのです。
またも出てきた「クローン」という名前。
「クリニックの先生もおっしゃっていたんですが、クローン病って何ですか?」と聞いてみました。
「珍しい病気なんですが…」と、先生が説明してくれたのですが、私も息子も珍しい病気だし…と、どこか他人事のように聞いていました。
その時点では、おしりの痛み以外に症状がなかったので、別の軟膏が処方され、しばらく様子をみることに。

当時、目に見える改善がないまま月日だけが過ぎていて、私はむずがゆい気持ちが隠せなかったのは事実です。
きっと息子も同じだったのではないでしょうか。
この時、季節はすでに夏になっていました。

